私たちは契約を前提とする社会に生きています。スーパーで魚や肉を買うのも契約です。契約をするには、自分の行為の結果がどのようになるか判断できる能力が必要となります。花子さんは「よくわからないけど」40万円もする布団を買ってしまいました。このように判断能力が不十分な場合、そのことによって不利益を被ってしまうおそれがあります。そうならないように支援するための制度が成年後見制度です。
花子さんに代わって「親切なお兄さん」から布団を買う契約をしたり(代理権)、花子さんが一人で買ってしまったら、「親切なお兄さん」に取消す旨を伝えたり(同意権・取消権)して、花子さんが不利益を被らないように支援します。
この場合、花子さんの希望を尊重し(自己決定権の尊重)、生活状況、体力や精神状態など配慮して(身上配慮義務)、花子さんに最も良い方法を選んでおこなうことになります。